広島県人会の新会館が完成した。待望の、同県人会員、および子孫たちのよりどころだ。完成後、最も大事なことは、活用することである。同県人会の催しに使用するのが最優先になろうが、広く一般に開放して可能な限り多角的に生かすのが肝要だ▼構想によると、日本語教室などをスタートさせる。これは県人会関係者限定でなく、受講希望者には広く門戸を開けることになるだろう▼もう一つ着目したのは、お好み焼きレストランの、月一回開設である。お好み焼きは、広島県独特の郷土料理ではあるまいが、同県人会員の努力によって、いまやブラジルでは〃看板〃になりつつある。年配の人たちには故郷の街路の手押し屋台で食べた懐かしい記憶、若い層には和製ピッツアともいうべき新しい食べもの▼ここでもう一つ、企画の際検討に加えてほしいのは、他県人会にも同じ日「郷土料理の店を出しませんか」と勧誘することだ▼すでに、愛知県人会が自県人会の屋台祭りに他県人会を誘っている。特に若い層の柔軟性をもって、エスパッソが許せるかぎり、よそも受け入れる方向で進みたい▼県人会の会館建設に関しては、なぜ、いま、会館なのか、といった懐疑的な見方がある。一方で、建てたくても建てることができない県人会もある。広島県人会は、未来に向けつくる必要がある、と決断をくだし、母県の援助も仰いだ。ともあれ、建ててから無用の長物にしてはならない。活用をしない会館は無いも同様である。(神)
03/06/13