6月11日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十日】足踏み状態の現政権にしびれを切らしたルーラ大統領は九日、現在のマクロ経済に左右されない政策を実施する意志を表明した。実施にあたり大統領は、閣僚七人と政府系銀行総裁三人との会議の中で、各省の計画を積極的に実行に移すよう呼びかけた。
ルーラ大統領は、国内の貧しい百市に学用品セット五十万部を配給する意向でいる。また専門農家収穫計画の発足も予定している。
両方とも、基本金利(Selic)年間二六・五%や厳しい税制調整など、莫大な投資ができない現在のマクロ経済に影響されることはない。
ルーラ大統領は、幾人かの大臣―特に社会部門の―の仕事ぶりに不満を抱いており、閣僚らに圧力をかけた。三度開かれた会議の中で、それぞれ違う内容の政策を検討。すべての会議に出席したのは、アントニオ・パロッシ財務相とギード・マンテガ予算管理相のみだった。
多くの大臣が、各省の計画を実施できない理由として予算不足を主張し、間接的にパロッシ財務相を非難した。だが財務相は、すでに各省へ回されている予算さえ使っていないと反論した。二月、財務省は各省への予算を七二%カットすると発表した。だが残された二八%を使った省はほとんどなく、四月までに使用された予算はわずか〇・四%に過ぎなかった。
最初の会議でルーラ大統領は、いつものメンバーのほかにロベルト・ロドリーゲス農相とミゲル・ロセット農地改革相と会談した。大統領は十七日に専門農家収穫計画を施行すると断言。計画予算費は五十四億レアルとされている。不作の時に小農家に補助金を出す収穫保険もこの計画の一案である。
二番目の会議にはクリストーヴァン・ブアルケ教育相、ルイス・F・フルラン開発相、カルロス・レッサ社会経済開発銀行(BNDES)総裁が出席。五十万人分の学用品セットをどうやって下半期の授業が始まる八月までに間に合わせるかを検討した。
セットには、スニーカー、くつ下、Tシャツ、ショートパンツ、キュロット、上着などのユニフォームも含まれる。だが八月までに完成させるのは困難だという。BNDESは、ユニフォーム生産を融資するため、十億レアルのローンを設ける予定。
三度目の会議にはウンベルト・コスタ保健相が参加。新しい薬品価格調整政策について論議した。同日夕方、カイシャ・エコノミカ・フェデラルのジョルジェ・マトーゾ総裁とブラジル銀行のカッシオ・カセブ総裁もアウヴォラーダ宮に到着した。