6月10日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】ジェトゥリオ・ヴァルガス財団は七日、中流階級の総収入に対する税負担が三〇%になると発表した。政府の税収は、国内総生産(GDP)の三六・四五%となっている。その内容は子供二人を抱える一家の月収が三千七百五十レアルの場合、IR、INSS、IPTU、IPVAなどの税と負担金、それに見えない間接税を合わせると約三〇%の千百二十五レアルに達するとしている。
ほとんどの庶民は意識していないが、朝起きるとすぐに税金を収める仕組みになっている。まず歯磨きクリームの二八%、化粧石鹸の三二%、顔を洗う水の八%、ひげをそる電気の二五%。朝のコーヒーで食卓に座ると、粉末コーヒー、ミルク、チーズ、パン、バターの税金が平均で一五%。
会社や学校へ乗用車で行くなら、ガソリンの五七%が国庫へ入る。バスやタクシーで行けば五%。昼食にレストランへ行けば二五%が税金だ。こうして国民の血税は、絞り出される。
人間は機械ではない。明日の生気を養うため会社の帰途バーに立ち寄りビールを飲むなら三〇%、ウイスキーなら六五%、たばこも吸う。映画、劇場、モーテルなどは一〇%。悪酔いして痛みどめ、胃腸剤を飲用するなら二八%だ。
中流階級が支払う税の五八%に当たる六百五十二レアルは、見えない税金で消費する商品やサービスの中に含まれる。その税金はIPI、ICMS、ISS、Cofins、PIS、CPMFなどで平均一八%とされ、所得税の四%よりも重い税金だ。
GDPの三六・四五%に相当する税収が、米国では三〇%だ。消費する商品やサービスに含まれる税は米国では一六・四%、所得や資産に対する税収は四〇%。これがブラジルは反対で所得や資産に対する税は一四%、商品やサービスの間接税は四五%だから低所得層ほど厳しい。
総収入に対する生活必需品の税負担率は、低所得層ほど重い。セスタ・バジカのサンパウロ市における平均価格は、二百十一レアル一五セントとなった。税金は三十八レアル八二セントで一八・四%になっている。
今回の税制改革は、低所得層への税負担軽減を目的としている。改革案が原案通り議会で可決されれば、セスタ・バジカの税率は二%になる。四十四種の税は九日、五種に縮小される。商品によって現行の七%が、一二%に引き上げられる可能性がある。
主要食品や常備薬など生活必需品の税率は、最低税率に組み込む。新税制は五種の税率に組み込む作業で、最後の追い込み中だ。最低税率の二%は、まだ変更の可能性がある。
低所得層の資産譲渡税や遺産相続税、農地税は一率ではなく別枠を設ける。税制改革には、最低所得層への所得保障計画が盛られる予定。使用人の社会保障負担金で低所得地域への資金移転も行われるようだ。