6月6日(金)
【ジアーリオ紙系ジャー誌三四二号】六月と言えばジューンブライド(六月の花嫁)。家庭・婚姻の守護神ジュノーの月である六月に結婚すると幸福になるといわれている。ブラジルの花嫁の月は五月だが、最近ではボーナスが出る時期に結婚する人が増えている。いずれにしても結婚は準備から当日まで、とにかく大変なもの。こういうときにかぎって起こるトラブルで、気の高ぶった新郎新婦はひやひや。ジャー誌は、さまざまな結婚関連のハプニング談を集めた。今だから笑える話をいくつか紹介しよう。
[登記所だけのシンプルな結婚だったのに!]
結婚式当日は、メーロ夫妻にとって思い出の日というだけでなく、トラブルだらけの忘れられない日となった。
登記所でシンプルな式を挙げるつもりだった新郎新婦。当日サンパウロ市中心部アウグスタ街にある登記所に入り、中から漂ってきたおぞましいニオイにびっくり。「どこも同じだと思って登記所を見に行かなかったのよ」と、新婦のヴァウキーリアさん(三三)。飾り付けもプラスチック製の汚い花が飾られているだけ。新郎新婦は顔を見合わせて笑い出してしまったという。
式中には、判事の言葉に飽きてしまった四歳の子供が、ゴキブリを見つけて遊びだした。〃黒いおもちゃ〃を手に持つ子供を見てぎょっとする女たち。「信じられない光景だったわ」と新婦は語る。
判事の言葉が終わると同時に、式場には新郎のパウロスさん(三五)が大嫌いなイタリア歌曲が流れ始めた・・・。
逃げるように登記所を出た二人は、心待ちにした家族との昼食へ。家族一同、正午にビュッフェに到着したが、食材が不足し、結局昼食が出たのは午後三時を過ぎていた。
[ぶかぶかのウェディングドレスと離婚届]
新婦のパウラさん(二五)は、結婚前にホルモン治療を五カ月間にわたって受けた。医者が「治療は太る」と予告していたため、新婦はあらかじめウェディングドレスを大きめのサイズに仕立てるよう頼んでいた。結婚一カ月前、パウラさんは治療を止めたが、結婚式の準備でハードな日々を送り、一気に五キロもやせてしまった。「簡単にやせないという医者の言葉に安心していた。式の前日、かわいそうに仕立て屋さんはドレスを全部作り直したの」と、新婦は語る。
さらに登記所に結婚申請した日の翌日、登記所から新郎のフェルナンドさんに電話が。「申し訳ありません。貴方の結婚申請書を受け取った職員が、間違って離婚を申請してしまいました。どうか今日中に登記所の方までお越し下さい」。
[パーマ失敗]
新婦のヤーラさん(三五)は、結婚式の一カ月前にパーマをかけることにした。だがパーマは見事に失敗し、髪は根元から縮れ、頭部の皮膚は火傷を負った。涙に濡れる新婦をなだめる新郎のセルジオさん(三五)。新婦の母親は、毎日鏡を見て泣く娘を励ましたが、兄弟たちは容赦なく新婦の顔を見て笑い、落ち込ませた。新婦はとにかく髪にいいというものなら何でも塗った。結婚式当日、皮膚の痛みを感じながらも何とか髪飾りをつけ、無事結婚することができた。「あのころは本当に深刻に悩んだけど、今では大笑いよ」と、ヤーラさんは笑顔を見せた。