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インフレ以下の給与調整=公共料金上昇が問題か

6月3日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二日】労組間社会経済・統計所(Dieese)が〇三年一―五月の間に八州で二十八の職業分野を対象に行った調査によると、同期間の労働者の給与調整はほとんどがインフレ以下となった。
 労使間で合意に達した給与調整のたった一四・二九%が、賃金交渉に使用される全国消費者物価指数(INPC)を上回ったに過ぎない。三九・二八%がINPCと同率の調整で、四六・四三%はINPCより調整率が低い。
 五月最終週に発表した議事録で中銀は、際限のないインフレを抑制するために基本金利を年率二六・五%で維持し、その決断理由を主に給与調整にあるとした。
 通貨政策委員会(Copom)は「インフレの継続は、将来的見通しではなく過去十二カ月の累積インフレに基づいて〇三年当初から続いてきた給与調整に原因がある」と強調した。しかし、同委員会が五月最終週に発表した内容とは逆に、過去十二カ月に累積した損失に基づいて行われる給与調整はインフレ圧力となっていない。
 サンパウロ州工業連合のメッセール経済調査・研究部長は、今年三月に四百社に行った調査の結果、企業は生産コストを製品に添加しておらず、仕入れ価格の交渉や生産性向上で吸収していると話した。
 バレリ・Unicamp教授はインフレが高止まりし続けるのは公共料金調整のせいとしている。