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意外と多い外国人観光客=380万人が昨年来伯

11月29日(土)

 完全とは言いがたい観光ルートしかない遠い国へ、高くオプションが少ない旅客機に乗って行く。その国の人間はとても難しい言語を話すわりには外国語が一つも話せない人がほどんど。しかも外国人に売る物の値段が異常に高い。この国の治安はお世辞にも良いとは言えず、その事実は国際的にも有名である。重要文化財の保存状態に落ち度がある場所が多く、一般の道路でさえ穴だらけ・・・。そう、ブラジルのことである。国際観光ランキングで34位を占めている訳がよく分かる。2001年から昨年までに、外国人観光客は20%減った。それにもかかわらず、昨年ブラジルを訪れた外国人観光客は、驚くべきことに380万人もいたという。
 ブラジル観光公社(Embratur)は4年後には、外国人観光客数を900万人まで増やし、観光客らが落とす30億ドルを3倍にすることを目標としている。
 同社が、これほどのデメリットを知りながらもブラジルに来る外国人を対象に調査を行なったところ、興味深い特徴が明らかになった。
 (1)外国で実施されているブラジル観光キャンペーンを見て、実際にブラジルへ行く人々は少数に過ぎない。
 (2)昨年ブラジルを訪れた外国人観光客の70%が、「以前ブラジルに来たことがある」と回答。
 (3)50%以上が、友人に勧められて初めてブラジルへ来たと述べている。
 (4)ほとんどの観光客が、「自分が我慢できる以上の時間を飛行機の中で過ごした」と文句を言う。
 (5)15%は、インターネットでブラジルの情報を得た。
 外国で得られるブラジルの情報は非常に乏しく、ブラジルに来て「こういう国だったのか」と驚く外国人が多い。スペイン人のオリオル・C・カンセルさん(31)は、「多様な文化を持つ国だとはまったく知らなかった」と話す。
 ブラジルを訪問する外国人は、ある一定の目的を持って来るケースが多い。
 アマゾンでスポーツフィッシングを楽しむアメリカ人事業家ティモシー・アンダーソン氏(51)は、毎年アマゾンを訪れ、釣りを楽しんでいる。だが、「アメリカ人にとって、アマゾンへ行くのにサンパウロ経由で行かなくてはならないことは、時間の無駄の他ならない」と苦情も述べている。
 また、ブラジルのノヴェーラ(テレビドラマ)が大好きなポルトガル人の女子大生や、バイア州の文化でのアフリカ文化の影響を勉強したい黒人のアメリカ人、カーニバルだけを見にくる人などもいる。
 Embraturは今年初めから、外国でブラジルの観光キャンペーンに取り組んでいる。だが外国での広告費はばかにならない。予算もわずか1200万レアルとかなり低い。政府側は、ブラジル人ならではの独創性を生かして、何とか切り抜ける方針らしい。その1つとして、ブラジルの文化を紹介するドキュメンタリービデオの制作案も出ている。 (ヴェージャ誌)

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