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受彰者のみなさん
受彰者のみなさん

長寿の秘訣「楽しさと信仰」=白寿で現役講師佐々木さん=聖公邸で百歳表彰伝達式=家族、友人ら60人が祝福

 在聖日本国総領事館(福嶌教輝総領事)は21日、総領事公邸で『平成26年度百歳以上高齢者表彰伝達式』を行った。本年度に百歳以上となる世界の海外在留邦人は89人で、同領事管内には37人が在住する。表彰式には本人12人と代理12人の計24人が出席し、福嶌総領事から記念品と賞状を受け取った。県連、文協、援協の日系3団体代表とブラジル熟年クラブ連合会の五十嵐司会長も来賓し、家族、親族ら約60人が見守る中、受賞者の長寿を祝った。

 福嶌総領事は受彰者らの歩んできた人生の苦労を労い、「長寿は本人の心がけに加え、周りの方々との心温まる交流があればこそ。これからの人生にあっても益々お元気で、幸せな毎日を願っています」と受賞者を讃えた。
 サンパウロ日伯援護協会の菊地義治会長が乾杯の音頭をとり、懇親会が行われた。五十嵐会長は「この年代の方々は、成人してすぐに満州事変や太平洋戦争を経験してきた。長寿だけでなく、厳しい時代を生き抜いてきたことに対しても敬意を表したい」と話した。
 表彰された石川光子さん(99、大分)は1925年、10歳でモジアナ線のコーヒー耕地に入った。そこで8年間働いた後、裁縫を学び、サンパウロ市で裁縫業を営んだ。8人姉弟の長女である石川さんは「妹たちを学校へ通わせるのが大変だった」と当時の苦労を語る。
 「健康を意識しだしたのは60歳の頃から」で、それまでは病気がちだったという。「好き嫌いせずに食べ、体を動かすこと」が長寿の秘訣であると話し、「これからも2人の娘と仲良く暮らしていきたいです」と語った。
 佐々木すず子さん(99、広島)は1936年、21歳でモジアナ線の農園に入植。当地で10人の子供を育て上げた。百歳となる現在も、生長の家の現役講師として講演を行っている。
 「楽しいブラジル生活の中で、知らない間に百歳になっていました」と一世紀の生涯に感慨をもらす一場面も。長生きの秘訣は「毎日が楽しいことと、信仰があることです」と振り返った。
 すず子さんに同伴した3人の子供、勇さん(82、広島)、すずえさん(67、二世)、鶴美(65、二世)さんは共に、「母は心が強いから長寿。これからも長生きして欲しい」と受彰を喜んだ。