ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 麻薬密売人=軍警兵舎から逃亡=正門を堂々と通る

麻薬密売人=軍警兵舎から逃亡=正門を堂々と通る

5月31日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】麻薬密売人、クラウジオ・ロベルト・モレイラ・パシェーコ(三七、通称ススキーニャ)が二十九日未明、リオ市北部エスターシオ地区にある軍警の兵舎、バタリョン・デ・ショッキの正門から逃亡した。
 リオ州公安局によると、ススキーニャは監房の檻二本を鋸で切断し、武装した歩哨がいた兵舎の中庭を横切り、武装した警官らが常に警備している中、兵舎で唯一つの正門から外へ出た。
 ガロチーニョ公安局長官は夜警担当チームの軍警十三人の拘束を決定し、同兵舎の司令官、ドゥアルテ大佐を罷免した。
 サンパウロ州の犯罪組織、首都第一コマンド(PCC)と関係を持ち、五月二日以降、同兵舎に拘留されていたススキーニャは、リオ州の犯罪組織、第三コマンド(TC)とコマンド・ヴェルメーリョ(CV)に殺すと脅されていると申し立て、州間警察(Polinter)の要請で、同警察から兵舎に移送されていた。ススキーニャは麻薬密売、誘拐、殺人容疑で告訴され、〇二年二月から〇三年四月まで、脅迫を理由にサンパウロ州で拘留されていた。
 ガロチーニョ長官は二十九日朝、移送を要請したのは「ある女性検事」と述べた。夕方、リオ州検察庁は文書を発表し、女性検事の移送要請を否定した。
 逃亡にもかかわらず、軍警司令官のホッツ大佐は「軍警の大隊はすべて警備されている。ただ大隊内部は別。警官と犯罪者の共謀があれば刑務所も同じといえる」と発言し、同兵舎の警備に問題はないとした。