5月31日(土)
五月一日午前九時からサンパウロ市サンゴンサーロ教会で、シネマ友の会(池田信雄会長)の第二十三回先没者追悼ミサが行われ、十五人ほどが参列した。
シネマ関係の先没者は四十人以上もいる。一時間ほどのミサの後、参加者は池田会長宅でシュラスコを楽しみ、昔話に花を咲かせた。「戦前はね、フォード二二型に乗って移住地に行くとね、村をあげて歓迎してくれた。みんな仕事を切り上げて風呂に入り、女性は化粧して一張羅の服をきて、見に来てくれたものだよ」と池田会長は当時を懐かしむ。
もちろん当時は電気もなく、フォードの片輪を浮かせて、ゴム輪で発電機とつなぎ、それで発電して映写機を動かした。「エンジンの調子が悪いとね、画面がガタガタさ。今じゃ考えられないけど、面白い時代だったよ」。
現在八十六歳の同会長。「なんとか二十五回目のミサまでは続けたいよね。僕が死んでも、誰かやってくれれば」と静かに語った。