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労組幹部 実は経営者=検察庁、連邦警察が発表 サンパウロ市バス疑惑

5月30日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】サンパウロ市バス運転手・車掌労働組合の幹部役員らが実は、バス会社経営者だった可能性が濃厚になったと二十八日、検察庁と連邦警察が発表した。証人らが連警に、エジヴァウド・サンチアーゴ・ダ・シウヴァ組合長は東部担当のバス会社の経営者だと言明した。現在、連警と検察庁がこの疑惑の真偽を捜査している。
 幹部役員十九人は、組織犯罪、公共交通手段(バス)の運行停止による被害、および暴力行為、労働者の権利の侵害、裁判所命令の不服従(バススト中に、地方労働裁判所の「一部のバスを運行させよ」との命令を無視した)などで裁判を受ける。また、逃走中の理事二人は、脅迫罪で告発されている。
 連警は、バス会社の書類に表れる経営者名の多くが、真の経営者を隠すための〃ラランジャ(名義賃貸人)〃だとみており、捜査を進めている。
 サンチアーゴ組合長はまた、サンパウロ州グアルーリョス市裁判所から同市バス運転手労組組合長殺人事件への関与の容疑で逮捕状を出されている。マウリッシオ・A・コルデイロ同組合長は、二〇〇一年十一月に殺害された。
 検察庁によると、幹部役員らは、ストを引き起こすために八十万~百五十万レアルのわいろをバス企業家から贈られ、ほか五万レアルはスト中の暴力行為を実行するために車両レンタル費や武器等購入費として使われていた。特に車庫理事らは、援助金として毎月五千六百レアルを支払われていた。
 幹部役員らの銀行口座開示によって、所得税申告での金額にそぐわない動向があったことが明らかになっている。さらに、毎月労働者の給料から引かれる健康保険料金のうち、一〇%は労組へ、五%は直接労組幹部へ回されていた。