5月30日(金)
【ヴェージャ・サンパウロ誌】過去十年間に、大サンパウロ市圏の映画館は大きく変わった。映画館数は百八館から二百六十五館に増え、今年末までにさらに二十七カ所建設される。観客数も増加しており、昨年は二〇〇一年より二〇%多い千四百八十万人が映画館に足を運んだ。ヴェージャ・サンパウロ誌は、映画専門家十五人と読者百六十人に映画館の評価をしてもらい、「映画館ランキング」をこのほど発表した。
興味深いことに、専門家と読者の上位二位に関する意見が一致していた。ランキングは次の通り(上位五位まで掲載)。
▼一位=フレイ・カネッカ・ウニバンコ・アルテプレックス▼二位=ジャルジン・スル▼三位=エスパッソ・ウニバンコ▼四位=シネSesc、アナーリア・フランコ▼五位=パッチオ・イジエノポリス。
フレイ・カネッカは〇一年八月に創立。同映画館の魅力は、スタジアムのような観客席と高度の上映技術を備えたマルチプレックス式映画館と、さまざまなタイプの人に喜ばれる複数の映画プログラムである。現在上映中の人気映画「X-メン2」もあれば、一般の映画館ではなかなか見られないフランス映画もある。
同映画館は人々の待ち合わせ場所にもなっており、有名人も多く訪れる。同館のカフェテラスも大人気で、創設以来約百二十万人がそこで一息ついている。
専門家の同館の評価では、一点だけ二位の映画館に劣った面がある。観客席である。ジャルジン・スルはUCIグループのもので、観客席にアメリカ式の大型席を使用。高さ七十五センチ、座席の奥行きは四十五センチ。観客席の段差は四十五センチあるので、背の高い人が前に座っても画面は見える。また画像や音響にデジタル技術を用いている。
〃映画館革命〃とも呼べる過去十年間、多くの映画館が姿を消した。「エレットリコ」や「ヴェネーザ」などのシネクラブは閉業し、中心部の大規模な映画館も倒産。パウリスタ大通りの「リベルティー」や「ブリストル」も消えた。反面「エスパッソ・ウニバンコ」が生れ、ショッピングセンターには「シネマーク」のようなマルチプレックス式映画館が登場した。
外資系映画館が勢威を増す一方、ブラジル系映画館はどうなったのか。プレイアルテ社は、ブリストルの再開にかけている。アウヴォラーダ社はアストルを閉め、センテル・イグアテミーとイピランガを何とか開館させている状態。同社のベーラス・アルテスは、パンドーラ・フィウメス社との共同経営で保ち、トップ・シネはリオの映画館経営者に売り払う予定。小規模のハワイ社は、外国から来た新しいタイプの映画館に合わせて必死にリフォームをしている。