山本和男さん(七〇)が二十五日午前、王将戦での対局中に体調が悪くなって倒れ、意識を失った。主催の将棋連盟は山本さんをいったん、ソファーに移し、救急病院に電話をかけた。
が、いくら待っても医者はおろか、救急車も来ない。それもそのはず。何度、ダイヤルを回しても、話中でつながらないのだから。
この間、容態は悪化していくばかり。医者が着くまで安静にすべきか、無理をしても病院まで運ぶべきか、二派に分かれて緊張が走った。
運悪く、この日は日曜日。救急車を頼みには出来ないと、数人で近くの病院に搬送した。山本さんは即刻、集中治療室に入れられたが、まもなく息を引き取った。
適切な応急処置をしていれば、死を防げたのだろうか。救急医療体制のまずさに思えてならないが…。 (古)
03/05/29