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コラム 樹海


 高利貸というのは儲かるものらしい。江戸時代には、朝に貸して夕刻には返済させる一日貸しが流行し利子も一割が珍しくはない。こんな高利ではないけれども、日本ではヤミ金融が大手を振っているそうだ。金利の上限は法律で決められ年間二九・二%となっているのにヤミ業者は年に七〇〇%や一〇〇〇%も巻き上げる▼百万円を借りると一年後には一千万円支払う計算になるのだからいくらなんでも目茶苦茶すぎる。ところ不思議なもので借り手は多いらしい。背に腹は変えられないらしく、金利が高いのを見落としてしまうケースが殆どだと警察では見ている。しかも悪いことに裏でヤミ金融を仕切っているのが暴力団であることもわかっている▼秋田県で逮捕されたヤミ金融業者は裁判で懲役の実刑判決を受けたが、資金提供者が何物かは公判の最後まで明かさなかった。検察側は業者が週に一回ファクスで業務連絡しているので「暴力団の資金源と疑われる」と指摘しているけれども、これを立証できる証拠はない。いずれにしても昨年ヤミ金融で逮捕されたのは三百二十人もいるのに実刑は十二人と極めて少ないのも問題だ▼被害者の救済に取り組む弁護士らが立ち上がり五千二百のヤミ金融業者を警察に刑事告発しているが昨年のを合わせると一万社を超えるから大変な数と見ていい。事態を重く受け止めた自民党や公明党は、ヤミ金融を取り締まる法律の改正に乗り出し刑罰を重くするなど動きだしているが、是非ヤミ金融を追放してほしい。(遯)

03/05/29