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コラム 樹海


 さきごろサンパウロ市近郊イタペセリッカ・ダ・セーラで九州ブロック運動会が催された。福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の八県から六百人が参加したという。各県人会独自の運動会はあってもこれだけ数多くの県がそろっての催しは、まだ聞いたことがない。〃裏方〃をつとめる役員らが心ひとつにして汗を流し、力を発揮した好例である。地元市役所がバス五台を提供するなど、コロニアとの密接な関わりを物語る▼参加者は五歳児から卒寿の九十歳までと、かなりの幅がある。この地に根をおろした先達・一世はじめ五代までが集い来て秋晴れの下、走り、競い、笑い、声援と楽しい一日であった、と聞く。それぞれの参加者は堪能したことだろう。明日のコロニア活性化につながる斬新な企画だった▼このブロック別の活動は、何ごとにもよらず今後重要性を増していく。個々の県人会は母県との関わりがあって同列には考えられない。が、最近の動向として日本でも形は違ってもそのような機会をつくっている県が多い。ブロック単位の知事会、あるいは政策面で意気投合した知事らの集まりが精力的に持たれていて活気がある。母県では市町村合併が急速に進み、県境い自治体などの合併が熱を帯びつつある▼こちらの県人会も母県に合わせてそれなりの心構えも必要になってこよう。「隣の県だから」では済まされない。近い将来、ブロック別の「九州・県人会連合会」が誕生するかも知れない。  (田)

03/05/28