5月23日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、時事二十二日】ブラジルサッカー協会(CBF)と十三の有力クラブは二十日、十五日に公布された「サポーター法」を順守できないとして、国内リーグの試合中止を発表し、今週末のブラジル選手権の開催が危ぶまれた。
「サポーター法」は不祥事や事故の絶えないブラジルサッカー界のイメージ向上を狙って、入場券販売の透明性や観戦者の安全確保について規定。スタジアム内や周辺でのサッカー観戦に絡む事故についてクラブ側の責任を定め、クラブ会長などを相手取った裁判に道を開く内容となっている。
ブラジル選手権の中止撤回の合意をもくろんだ政府とブラジルサッカー協会(CBF)、十三の有力クラブの代表者、クラブ経営者らとの会談は二十一日、合意なく終了した。最終決定は二十二日、大統領府に属する連邦総合弁護局(AGU)の規範に基づいて行われる。しかし、リカルド・テイシェイラCBF会長は二十一日夜、今週末の試合の実施を保証し、二十二日午後三時に、「サポーター法」に従って仲裁人の票決を行うことを決めた。
同経営者らは、「過失の有無にかかわりなく」、クラブや関係団体の責任者がスタジアム内外の安全の不備に対する責任を負うとする同法の規定を恐れ、十六日に効力を発した同法を緩和、又は先延ばしする法的措置を取って政府が譲歩することを期待していた。
政府は過失のある人間が罰せられることは明らかだとしている。譲歩しないことを決断した政府は、クラブ経営者の責任回避を保証したAGUの規範を解釈するだけで取り成そうとした。
会談終了後、「この規範を踏まえて、CBFと十三の有力クラブは決断を下すだろう」とケイロス・スポーツ相は述べた。