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社会インフラ整備を優先=購買力増大で成長=上下水道に19億R$投資=大統領全閣僚を召集

5月21日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】ルーラ大統領は十九日、全閣僚を召集し各省庁の月間経過報告を行わせた。企画相は、二〇〇四年から二〇〇七年の国家四年計画(PPA)を発表。同計画は低所得層の購買力増大を経済成長のばねにし、輸入代替品の製造業へ投資して対外信用を高めようというもの。緊縮財政は、まだ継続されるものの、社会インフラに優先的に資本を投下すると、大統領は報告した。

 第四回閣僚会議は、十三時間にわたる強行軍であった。予算不足や予算の取り合いで省庁間に不協和音が出ていることから全閣僚が共同歩調を取ることを、大統領は求めた。
 景気の冷え込みが懸念されるなか、もうしばらくの間緊縮財政に耐えるよう求めた。業界の強い要望で金利の引き下げが叫ばれているが、インフレの脅威がまだ去らず慎重を要することとして保留した。 
 しかし、カイシャ・エコノミカを通じて上下水道工事に十九億レアル投下するなど、景気刺激と雇用創出のために一部緩和すると発表した。社会インフラへの民間投資を奨励するため、資金面でも優先的に便宜を図ることを約束した。 
 大統領府は、各省庁に月間報告書を提出させ、省庁の勤務評定を行うことにした。独走して協調を欠き、無駄な時間と経費をかけ成果の見えない省庁を摘発すると、年末へ向けた閣僚交代のサインが出された。
 新政権は掛け声ばかりで、実質的な効果が出ていないという批判が多い。閣僚らは人材の起用とシステムの構築でこれまで時間を費やしてきたと弁解。プロジェクトの実施は敏速に行うと約束した。ドゥルシ総務長官は、これまでは船出の準備で、これから出港と説明して援護射撃を行った。
 閣僚らはこれまで、空腹で戦を強いられ苦戦したと訴えた。閣僚会議は「嘆きの壁」での集いではなく、実がある会議であるべきだと主張した。マンテガ企画相は、第一・四半期に予想を上回る税収が上がり、近く予算を出すと答えた。
 二月に行った今年度予算カットの百四十一億レアルは、今年中に再度予算に組み込まれる。企画相は長期展望で税収が増加傾向にあり、二〇〇四年に努力の成果が表れると強気の発言をした。
 国際通貨基金(IMF)との間で合意した財政黒字を達成したことで、健全財政は合格。またREFIS(滞納税回収計画)は功を奏し、ペトロブラス石油公団が過去最高の営業利益を計上したことも国庫を大きく潤していると報告。
 企画相は二十一日、予算配分の会議を行うと発表した。十六歳から二十四歳までの青年一千万人のための集団就職計画に政府は、五億レアルの予算を用意しているとも報告。企業家らが批判しているように、見せかけだけの就職で早期解雇にならないようにと、関係者は懸念している。