5月21日(水)
【アゴーラ紙二十日】十九日午前二時ごろ、サンパウロ市東部イタイン・パウリスタ区第五十警察署から、留置場に収容されていた拘束者の約半数が、長さ十五メートルのトンネルから脱走した。逃げたのは六十六人で、サンパウロ州の拘束者集団脱走事件では今年最大の数となった。
トンネルは直径六十センチで、警察署の隣りにある空き地に出ていた。留置場の五監房の一つから掘られた。同日夜までに再逮捕されたのはわずか十人だった。
同留置場の定員は三十人だが、事件当時の収容者数は百三十二人だった。十日には拘束者の暴動が起き、監房のおりはすべて取り除かれていた。拘束者たちはその後、同警察署の中庭を自由に歩くことができたという。
拘束者たちはトンネルを掘るのに、おりの鉄棒を使った。脱走時、監房の見張りをしていたのは看守一人のみ。夜番をしていたデイジー・ブラジル警部は、「誰も妙な音は聞いていない」と言明している。
脱走中、付近の住民が警察署付近の不審な動きを怪しみ、同警察署に通報。署内にはブラジル警部と看守のほか、刑事二人と秘書一人がいた。三人とも「何も気がつかなかった」と述べている。
同日午後、サンパウロ州市警州都司法警察課(Decap)のアントニオ・C・M・フォンテス課長が同警察署を訪れた。「事件当時プラントンをしていた警部らを、脱走を助けた容疑で逮捕すると脅した」と、匿名希望の刑事は証言した。