5月20日(火)
【既報関連=アゴーラ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙十七、十八日、フォーリャ・オンライン十九日】サンパウロ市の公共交通システムが十七日午前四時から再編された。バス・ロタソン千三百九十一路線の三八%が、廃止・統合など何らかの形で変更された。再編路線の最終リストは再編当日の各伯字紙に発表されたが、新聞に目を通さなかったバス・ロタソン乗客は、ターミナルでどのバスに乗ったらいいか聞き回ったり、長蛇の列に並んだりと大迷惑。新体制の重要なテストとなる十九日にも、ロタソンやマイクロバスなどの遅れが見られた。
廃止された路線は二百二十六路線で、うち七一%に相当する百六十一はロタソン路線だった。ほか三百路線が名称変更や統合、経路変更など、何らかの形で変更されている。サンパウロ交通機関公社(SPTrans)は、路線経路の重複を無くすことが路線再編の目的だとしている。
サンパウロ市によると、三カ月前から路線再編計画が立てられたが、市民に対する再編情報の公表が始まったのは再編が実行される三十五時間前(十五日午後五時)だった。
新体制初日の十七日は、乗客も運転手も再編内容を知らない状態だった。「え? この路線、廃止されたの?」と聞き返す乗客もいれば、「バスがいつもより遅れている」といら立つ人も。担当路線が廃止されたことを、新聞を見て初めて知ったロタソン運転手もいた。路線再編を説明するパンフレットを配っていたSPTransの一職員は、「路線について質問されてもほかの人に聞いてくれと言っている。自分の帰りのバスも分からないんだ」と打ち明けた。
市が配布したパンフレットには、「バスの台数が増え、重複する路線がなくなり、待ち時間も減る」とあったが、アゴーラ紙が乗客二人にインタビューしたところ、「改善は見られない」という答えが返ってきた。
三百五十万人がバス・ロタソンを利用する月曜日の十九日には、東部シダーデ・チラデンテス区付近で遅れが見られた。西部ジャルジン・パウロ・セスト区では、マイクロバス二台が破壊されたという。中心部パカエンブー・スタジアム前のチャールズ・ミラー広場では、ロタソン業者約二百五十人がデモを行った。
ジウマール・タット同市交通局長は、「市民は独創的だ。初め一週間の混乱期間も何とかしてくれるだろう。我々は交通システムの改善目指して二十四時間働いている」と言明した。