5月17日(土)
【既報関連=アゴーラ紙十六日】十七日午前四時から、サンパウロ市の公共交通システムが再編される。バス・ロタソン千三百九十一路線のうち、三〇%に相当する四百二路線が廃止・統合となる。だがサンパウロ市が路線再編について詳しいことを何も公表していないため、どうなるのかはまだ分からない状態。「一体どのバスに乗ったらいいの?」という見出しで、アゴーラ紙は市を批判している。
路線の廃止については、サンパウロ市はまだ一部の情報を公表しただけで、交通区間八地域全部での完全な情報を発表していない。推定廃止路線数は二百二十六路線になると市はみている。だがサンパウロ交通機関公社(SPTrans)は十四日、アゴーラ紙に廃止が予定されている四百二路線のリストを渡した。
十五日には路線再編を説明するパンフレットなどがバス・ターミナルで配布されることになっていたが、市は約束を守らなかった。市は同日午前、五地域で廃止される百八十五路線を新聞で発表したが、その日のうちに「〃廃止〃という言葉はふさわしくなかった。路線名称や経路を変更されるだけの路線、バスからロタソンに変わる路線なども入っていた」と認めている。だが詳しい変更内容は一切公表していない。
ジウマール・タット同市交通局長は、「一日前や一カ月前であっても、広告を出す時期はどうでもいい。重要なのはバスが路線を運行することである。市民はこのような状態でも何とかしてきたから大丈夫。バスストがある時だって何とかしてきただろう?」と楽観的な発言をした。
市は路線再編の理由として、一部の路線経路の重複や利用者の少数化などを挙げている。廃止される路線を利用していた女性(二九)は、これからバスを二本乗り継いで出勤することに。だが女性の上司は、「バス二本の運賃を払うことはできない。残念だがクビにするしかないだろう」。女性は、「何度も満員バスに乗ったことがあるのに、利用者が少ないなんておかしいわ」と憤っている。