5月17日(土)
「もしもし、総領事館の職員ですが、日本の家族が自動車事故を起こして、怪我人を出してしまいました。その賠償金を立て替えたので、払ってほしい」。そんな電話がきたら要注意!
日系人相手の詐欺常習犯ニバウド・デ・ソウザ・アンドラーデ容疑者(四一)が十三日、その手口でサンパウロ市に住む日系姉妹を騙そうとしたところを、間一髪の機転で、逆に市警に逮捕された。
アンドラーデ容疑者はすでに五十件あまりの容疑のある詐欺常習犯で、その被害者全員が日系人。
今回は総領事館職員を騙り、サンパウロ市ジャルジン・マルチンス・シウバ区に住む日系姉妹宅に電話をかけた。賠償金として請求したのは五千レアル。不審に思った姉妹は日本の家族に電話して確認すると、まったく事実無根の詐欺だと分かり、市警とサンパウロ総領事館に通報した。
市警の指示に従い、容疑者と連絡をとり、金の受け渡し場所をサンパウロ市ジャサナ区アントネラーダ・メシナ大通り一五〇〇番付近を指定した。容疑者に気付かれないように、警官が取り巻くなか、現れたアンドラーデ容疑者が詐欺未遂で現行犯逮捕された。
今件を担当した市警組織犯罪捜査課(DEIC)のスギ・ケンジ警部補によれば、容疑者宅を家宅捜索した結果、二枚に渡って、ほとんどが日系人名の電話番号リストを押収した。同警部補は「日系人は騙されても、あまり警察に訴えない傾向があるが、捜査に協力する意味でも、どんどん連絡してほしい」と語った。