5月14日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙】C、D、E階級とされる低所得階層が求める商品とはどんなもの―? 粉末洗剤やシャンプー、石けんなどの家庭用品大手会社「ユニレバー」が、ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団に、低所得者が好む商品調査を依頼したところ、「貧乏人は低所得階層を対象に販売されている〃貧乏商品〃が大嫌いで、少々高くても有名なブランドを好む」という結果が出た。
低所得者の一人であるマリア・L・サンターナさん(五一)は、サンパウロ市北部に住む子供四人の母親。D、E階級に属する。安い値段の商品を探してどこまでも歩くような人だが、必需品に関してはなかなかうるさい。「石けんはルックス(日本ではラックス)が一番。ジェッシーの方が安いけど嫌い。粉末洗剤も一番高いオーモじゃなきゃだめ。安い洗剤は大量の粉を使わないときれいにならないから、かえって損」。
同社ラ米代表低所得階層消費部のラエルシオ・カルドーゾ部長(四三)はさっそく、マリアさんのような低所得階層の人々を対象とした商品の開発を実施した。
植民地時代の奴隷制度の名残で、低所得階層に黒人系の人々が多いため、シャンプー「セーダ」や石けん「ルックス」、乳液「ヴァゼノル」といった同社の高級商品に、黒人の肌や髪の毛の質にあった商品を販売。例えば「ルックス」の場合、「黒人・モレーナの肌用」とパッケージに表記されている。
同財団が昨年末にサンパウロ州で行った低所得者自身の意識調査によれば、C、D階級の人々の場合、自分が貧困者だと思っていないという。またA、B階級の人々は逆に、自分は金持ちだという意識はなく、中流階級だとする人がほとんど。では、貧窮状態にある人とはどういう人なのか? 「いつも安い商品しか買えず、『お金があったら高級品の方を買ったけど』とこぼすような人々」と、カルドーゾ部長は説明している。