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文協=具象画展が開幕=聖美会初期作品の展示も

5月10日(土)

 今年で三回目となった文協具象画展が八日夜開幕し、会場の大サロンは入選作(九十一人・百六十九点)を一目みようとする大勢の人でにぎわった。当日は大金賞のエザワ・ナオコ・マチウジさんほか十九人の入賞者が表彰され、展示作品の販売も行われた。文協では延べ三百人を超える来場者があったと発表している。
 就任後初めて公式な場であいさつした上原幸啓文協会長は「パリに留学していたころ、よく美術館に通ったもの」と話し、文化に造詣のあるところをみせた。
 またオープニングのセレモニーには、ニューヨークの国連勤務時代に絵を習っていた赤阪清隆サンパウロ総領事や、就任間もない吉井弘サンパウロ日本文化センター所長が列席し華を添えていた。
 会場では入選作品だけでなく、特別招待作家のファンギさんや金子謙一さん(具象画展実行委員長)らの作品も鑑賞できる。また文協ビル一階の日系美術館では「グルッポ・セイビー30~60」展を同時開催。ブラジル美術史に一時代を築いた日系作家たちの初期を代表する作品を中心に展示されている。
 「生活難のなかでも絵を描こうとした作家たちの絵は、ただきれいなだけではない何がある。こういう絵もあるんだ、と来場者に分かってもらえれば」と、企画した沖中ロベルト日系美術委員長は話している。
 十五日まで。平日は午後一時から同六時。土日曜日は午前十時から午後六時まで。