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改革委の下議3人を解任=初めての強硬措置=改革にPTの命運かける=党籍から除名せず

5月7日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】PT執行部は五日、年金改革実行委員会から党内左派のジョオン・B・アラウジョ下議とルシアナ・ジェンロ下議、リンドベルグ・ファリアス下議の三人を解任することを決定した。三人は党方針に反し、改革案の柱の一つである定年公務員からの社会保障負担金の徴収に反対した。しかし政府に敵対する意志はないことで、党除名は考慮していないようだ。

 下議三人の委員解任に伴い後任が、近く任命される模様だ。年金改革の発表者はジョゼ・ピメンテル下議。定年公務員からの負担金徴収には反対した一人であるが、大統領府は同下議の実力を重んじ解任しないことを決定した。税制改革はヴィルジリオ・ギマランエス下議が計画通り発表する。
 上程文には党の方針のみを草稿し、個人の考えを入れないように念を押した。七日の下院でクーニャ下院議長から下院法制委員会(CCJ)へ両改革案が正式に手渡される。手続きミスを避けるためにジルセウ官房長官は、CCJのグリンハル委員長と連立与党幹部を大統領府に招集して打ち合わせを行った。
 CCJは三十日以内に委員会報告書をまとめ、公開審問も含めて四十五日以内に、議案の審議を終わる。大統領府は敏速な作業を要求し、二十日以内にCCJが議案の分析を終えるよう要請した。
 一方解任された三人に、上院のパイン副議長も合流して、定年者からの負担金徴収に抗議した。四人は「たとえ党から除名されても、改革案が原案通り上程されるなら反対票を投じる」と声明した。党幹部会議で合意済みのはずであるとして、党内左派の執拗な抵抗に批判が続出している。
 下院での改革案取り扱い順序は、次のようになっている。CCJの認証後、議題委員会(CET)へ回され四十の部会が、約二カ月かけて審議を行う。CETの認証が終わったら下院へ提出される。下院では表決に先立ち、五部会が協議のために用意されている。表決は一週間の間隔を置いて、一次と二次の二回行われる。五百十三議席から三百八票を確保できれば可決となり、上院へ回される。
 上院のCCJは、限定期間がない。CCJの審査が終わったら、直接上院議会へ回される。五日以内に改革案の受理容認が行われ、再度CCJへ戻る。CCJの認証を受けたら、上院へ表決のために提出される。表決は一次と二次で行われ、八十一議席のうち四十九票を確保できれば可決され、官報で公布される。