ミスのコンテストと時期同じくして、カシャッサの見本市が開かれた。
ミスは全伯から二十七人が、カシャッサは十七州から四百品が並び、どちらも「ミナス州」が支持された。カシャッサに関しては、会場の約三分の一を同州産が占めた。
すべての酒は水を目指す―。そんな言葉があるように逸品は確かに「上善如水」の感を覚える。もっとも値段を見れば『ハヴァナ』(現『アニジオ・サンチアゴ』)が二百五十レアル。ドン・ペドロ一世はブラジル独立をカシャッサで祝ったというが、王様も吃驚の値だろう。
「一滴の水の中にはいろんな生き物がいる」。イタリア映画『木靴の樹』に出てくる子供のセリフだ。思えば、あのカシャッサの一滴に秘められた旨みは何によって生まれるのか。酒に能書きは要らない、「いろんな物」としておこう。(大)
03/05/06