5月3日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】サンパウロ州での強盗事件数が今年第一・四半期、一九九六年以来過去最高になった。三十日、サンパウロ州保安局の州内犯罪調査の発表で明らかになった。同時に警官による一般市民(容疑者など)の殺害件数が増加。「警察の暴力的な措置は強盗事件を減らしていない」と、サンパウロ州警察聴聞局側は指摘している。
サンパウロ州での今年第一・四半期の強盗事件数は五万九千二百二十件で、前年同期比六・七%増となった。また九六年の二万八千六百六十五件より一〇六・五%も増加した。
サンパウロ市でも同じ傾向で、今年第一・四半期は三万一千三百二十八件を記録し、九六年の一万五千四百五十二件より一〇二%も増えている。
この調査でいう強盗事件は、犯人が被害者に対して暴力を加え、通常拳銃で金品をゆするケースを指す。保安局は九五年七月から犯罪調査を始めた。
一方、〇一年に爆発的に増加した誘拐事件は、マスコミなどが大々的にサンパウロ州政府を批判したことによって政府が誘拐撲滅に力を入れた。結果、今年の誘拐事件数を大幅に減らす成果が出ており、前年同期比七二・七%減の三十件を記録している。
同州警察聴聞局が最近指摘していたように、保安局の調査でも今年第一・四半期に警察に殺害された市民(容疑者を含む)の数は増加しており、前年同期比四三・三%増となった。九六年と比較すると、二八三・八%も増えたことが分かる。
警察聴聞局は、市民殺害件数の増加が強盗事件の減少に至らなかったとし、警察の犯罪撲滅計画に落ち度があることを指摘。当局は、「警察が暴力を使って犯罪を抑制しようとしても犯罪は減らない」と明言している。
警察聴聞局は、警察側が犯罪被害届け出のデータを聴聞局に公開しないため、州の誘拐撲滅対策で追いやられた誘拐犯が強盗犯になったのかどうか分からないという。