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ホンダが新型車生産をスマレー工場で開始=フィット▲シビック▲二輪車=新たな段階へ

5月1日(木)

 ホンダ・アウトモーベイス・ド・ブラジル(岩村哲夫社長)は今月一日から、サンパウロ州スマレー工場で、小型乗用車「フィット(FIT)」の生産を開始した。六〇年代の二輪車輸出から始まったホンダの南米進出。二輪車、四輪車シビックの現地生産に続き、今回のフィット生産開始で同社の事業は新たな段階に入った。二十九日、同社は国内のマスコミ関係者をスマレー工場に招き、二輪、シビックに続く第三のブラジル市場進出をPRした。
 当日は国内のマスコミ関係者約百二十人がスマレ工場を訪れた。四月一日付で着任した岩村哲夫新社長をはじめ同社から役員が出席した。
 役員のあいさつ、新車の紹介に続き、岩村社長は「フィットは日本をはじめ、世界各国で成功を収めている。ブラジルの市場には大きな潜在能力がある。その性能や快適性、安全性など、ここブラジルでもフィットは受け入られることと思う」と述べた。
 一行はその後工場内の施設を見学、フィットの生産ラインや新車のテスト走行コースなどを視察した。
 同社ではフィットの生産開始に当たり一億五千万ドルを投資して、同工場の生産能力を三万台から五万台に増強。従業員数も二五%増の一千人に増員された。敷地内には技術訓練センターが併設されており、全国五十七のディーラーを中心に修理工を養成している。
 フィットは二〇〇一年に日本で発売された小型乗用車。その年に日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞、翌〇二年には国内最大の年間二十五万台を売り上げた。現在は日本をはじめ世界六十カ国で販売されている。日本以外での生産はブラジルが初めて。
 ブラジルでの乗用車の現地生産は、九七年にスマレー工場で生産を開始したシビックに続き二車種目となる。
 マニュアルとオートマチックで、価格は約三万四千から四万レアル。同社は今年二万五千台の販売を目指している。今年の六、七月ごろからは、隣国アルゼンチンへの輸出をはじめる予定だ。