4月30日(水)
【二十八日時事、エスタード・デ・サンパウロ紙】二十八日のブラジル外国為替市場は、中央銀行が同日実施した入札で、五月七日償還の国債十五億ドルのうち六二・六%に相当する九億五千三百万の借り換えに成功したことなどからドル売り圧力が強まり、通貨レアルは先週末終値比一・五八%高の一ドル=二・九六六レアルで取引を終えた。レアルが終値で三レアルを突破したのは昨年八月八日以来、約九カ月ぶり。
エンリッケ・メイレーレス中央銀行総裁は同日、訪問先の米国ワシントンで講演し、「レアルはさらに上昇する余地がある」と述べた。レアルの上伸はブラジルの国際競争力を損なうことはないと説明、レアル高をめぐる懸念を否定した。
同総裁はまた、一ドル=三レアル前後の現行相場に関し、「(経済の)現状に沿ったものだ」と、適性水準にあるとの考えを示した。さらに、為替相場は市場が決めるものであり、中銀として特定の相場目標は設定していないと指摘した。
ギード・マンテガ予算管理相はメイレーレス中銀総裁の発言に同意し、政府が為替操作をしてドル安傾向に歯止めをかける理由はないとした。「なぜレアルが回復したことを心配するのか」と、逆に問題提起した。高インフレを避けると同時に、輸出業者のインセンティブと収益を維持するには、ドルが三レアルより低い水準を保つことが重要とした。