4月30日(水)
日本の対外直接投資は、前年度比三四・九%減の三一六億ドルと二〇〇〇年度に引続き減少を記録した。非製造業が、通信・運輸を中心に大幅に減少したのに対し、製造業向け投資が自動車、電機、木材・パルプ向けに増えたため、対外投資に占める製造業向け投資は、二四・〇%から四四・一%へと上昇した。
日本の対ブラジル投資については、二〇〇一年、八億二五〇〇万ドルとなり、前年比一二六・六%の大幅増となった。国別では、二〇〇〇年十二位から二〇〇一年には九位に上昇している。増加の要因は、自動車・輸送部門や資源部門での投資が相次いだことによる。
ルノーと日産は、パラナ州アイルトンセナ工場に二億三六〇〇万ドルの投資を行い、小型商用車「マスター」、及びピックアップトラック「フロンティア」の生産工場を新設した。トヨタは約三億ドルをかけてサンパウロ州インダイアツーバ工場の生産能力を一万五千台から五万七千台までに拡大した。ホンダも、小型乗用車「フィット」の生産を開始する。これらの工場拡張は、ブラジルのみならず、ラ米市場をターゲットとした戦略に基づくものである。自動車メーカーのこれら動きに伴い、自動車部品メーカーの投資も続いている。
川崎重工はエンブラエルの次期小型ジェット旅客機向け主翼製造のためにサンパウロ州ガビオンペイショットに新工場を建設中である。
資源関係では、三井物産が鉄鉱石会社カエミを二億八千万ドルで買収した。また、日伯紙パルプ資源開発は紙パルプ大手のセニブラの株式をリオドセから七億ドルで購入した。 (つづく)
■日本とブラジルの経済交流=『コメルシオ・エステリオル』誌掲載、工藤章氏の寄稿文(1)=大豆、鶏肉、トウモロコシなど=02年上半期、対日輸出好調
■日本とブラジルの経済交流=『コメルシオ・エステリオル』誌掲載、工藤章氏の寄稿文(2)=対伯投資、01年大幅増=自動車・輸送、資源部門で