4月24日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】来伯中のスノー米財務長官は二十二日、パロッシ財務相との会談に臨み米州自由貿易地域(FTAA)構想の実現に向け、米政府は世界貿易機関(WTO)で係争中の事項、農産物補助金と非関税障壁の削減を容認する用意があることを明らかにした。
同長官はゼーリック通商代表部(USTR)から大統領と財務相への伝言として、米政府の希望は農産物も含めた全面市場開放を求め、農産物を除く米国の得意分野のみでの市場開放を求めた前案は、今回撤回すると報告してきた。
財務相との会談を終えて記者会見に応じた長官は、WTOを通じての事項全ては、ギブ・アンド・テイクの法則に従って話し合い解決をしたいと述べた。
またイラク戦争では、米政府に対し批判的立場を表明したブラジル政府に失望はしたが立場を理解し、伯米間通商関係では何ら報復的措置は採らないと確約。イラク問題と通商問題は、本質的に全く異なることと位置付けした。
特に伯米間の国債金利の格差を示すカントリー・リスクの縮小で、ブラジルの経済政策を高く評価した。
これは両国にとって前向きなサインだと強調した。
また財政政策や通貨政策、税制改革、年金改革、会社法改正などで一連の構造改革を推進しているのは、大統領や財務相、メイレレス中央銀行総裁らの努力の賜物と称賛した。しかし、年金改革の国会通過には、米政府は非常に関心をもっていることを告げた。
同長官は、ブラジル政府の外債発行に際し〃集団行動条項〃を盛り込むよう要請した。同条項自体は望ましいが、政府が採用するかは未定だとの立場を財務相は表明した。
集団行動条項とは破産状態に陥った場合の債務再編手続きを明記したもので財務相が十一日、ワシントンで同長官と会談した際にも同条項の採用を求められた。