北朝鮮の核問題を巡る米中朝3ヵ国協議が北京で始まった。中国は仲介役といったところで実質的には米朝での話し合いらしいのだが、中国が会議の内容などについて非公開なので詳細は不明と言っていい。アメリカの方針としては日韓露も参加させての6ヵ多国間協議だったのに日本の通信社が北朝鮮の国連代表部当局者に問い合わせたところ「日韓の参加を事実上拒否」したという▼北朝鮮には核問題は米国と直接対話で解決するという従来の考え方があり、国連の返答は当然なことながら隣国の日韓としては「承知」と言って黙って引き下がるわけにもいくまい。「テポドン」が日本の上空を飛び太平洋に落下しているし「不審船」という工作船も何回となく日本領海を侵犯している。日本の警備艇が銃撃戦をし不審船を沈没させ引き揚げたのは記憶に新しい▼拉致もある。先日、家族らが国連の人権委員会に向かい解決を訴えたけれども、これほどの人権侵害もない。しかも、拉致した八人は死亡の発表があっただけでは、いかに温和な日本でも怒り心頭するのが当たり前というものだ。有力新聞が三月に世論調査したところ、北朝鮮のミサイル発射と核開発疑惑に不安を感じてる人は九二%にも達している▼これが日本人の正直な気持ちなのである。朝総連などを通じて北朝鮮には多額の資金が送られている事実を指摘する声も相当に大きい。それでも金正日総書記は「米国第一」と主張し瀬戸際外交に終始するのは余りに傲慢に過ぎないか。 (遯)
03/04/24