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作句三昧の一日=リ・ピレース 虚子忌大会に100人余

4月23日(水)

 リベイロン・ピーレス市(マリア・イネス・ソアレス市長)、同市日伯文化協会(村木嘉明会長)、同市俳句会主催、ニッケイ新聞社後援で、「第十一回虚子忌全伯俳句大会」が、四月二十一日午前十時から、同市文化協会講堂で開かれた。前年の八十名を上回る百十名が会場に詰めかけ、会場は俳句愛好者達でにぎわった。今回の大会で、十一回目を数え、遠くはサンタカタリーナ州のジョインビレからの参加者もあった。
 午前七時半にリベルダーデ駅に集まった一行は、途中、虚子の句碑に立ち寄った。ここでは、一行の代表でアンジェラ・ロッシさんが献花を行った。
 開会式で、同大会実行委員長の中野秀敏さんは、「日本の文化である俳句が、リベイロン・ピーレス市やニッケイ新聞の後援で、行われるのは光栄だ。今年は、初めて全伯という形で行われ、盛大な大会になった」と、あいさつした。
 来場者は、一日を俳句をひねりながら過ごした。昼食には、同市婦人部の手作りの弁当が配られ、参加者は舌鼓を打っていた。
 午後二時からの被稿が終わった後、樋口玄海児さんが入選作品、特選作品を発表した。
 今回の季語は「虚子忌」「豊年」「夜長」「冷やか」「鰯」「クアレズマ」の六つで、一人が五句投句。五人の代表選者(広田ゆきさん、樋口玄海児さん、富重かずまさん、栢野桂山さん、星野瞳さん)が、六つの入選句と一つの特選句を選んだ。
 特選句
市を挙げて句碑の清掃虚子祀る     坂本美代子
念腹を熱く語って虚子祀る        小斉梓子
本山に瓦献金豊の秋
        山本紀未
大虚子の齢を生きて忌を修す      中村伴三郎
建て直す日本人会豊の秋        串間いつえ
の以上の五句。
 特選句受賞者のサンパウロ市在住の串間さんは、「十年前から俳句をはじめたが、虚子忌俳句大会に参加したのは初めて。めったにないことなので嬉しい」と、語った。
 大会は、午後三時半に入選者と特選者の授賞式の後、盛大な拍手で閉会した。