4月16日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】ミナス・ジェライス州古都オウロ・プレットの中心街で十四日、火災が発生し、十八世紀の建築物が焼失した。同市はブラジル植民地時代のバロック様式の建築物が多数あり、二十三年前にブラジルで初めてユネスコ世界遺産に指定された。だが遺産の保存状態の悪さが幾度も告発されてきており、世界遺産から外される危機にひんしている。
火事があったのはチラデンテス広場の重要文化財に指定されている三階建ての建築物で、六つの商店が営業していた。火災は同日午後六時ごろ発生。消防隊やボランティアが消火活動を行った。火の粉はクラウジオ・マノエル街の邸宅にも移り、半焼した。
消防署によると、一商店の電気回路がショートし、火災が起きたもよう。出火の原因を調べるため、現場検証が実施される。
同建築物は午後七時ごろに消火されたが、午後八時ごろに崩落した。消防署によると、同市議会ビルなど、焼失した建築物に隣接していた建築物に火が移る危険はもうないという。
煙だらけとなったチラデンテス広場に野次馬が群がった。ベロ・オリゾンテ市や近隣都市から消防車が集結、消火活動に参加した。
国の重要文化財管理機関である国立歴史・美術遺産院(Iphan)第十三本部のベネジット・T・レイテ氏は、「火災によってオウロ・プレット市やミナス州が世界遺産の保存すらできないことが明らかになった」と厳しく批判。同氏によれば、Iphanは以前から火災の可能性を注意してきたという。また、消防隊の消火設備にも問題があると指摘している。
先週、ユネスコの査察委員会が古都オウロ・プレットを訪問。同市を「危機状態にある世界遺産リスト」に入れるかどうかを検査した。同市民やNGO団体は世界遺産から外されることを恐れており、昨年から古都オウロ・プレットの保存の重要さを叫んでいる。
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[バロック様式]
発祥地イタリアの言葉「バロッコ(いびつな真珠)」に由来。十七世紀~十八世紀にかけて栄えた美術様式。絢爛豪華で、見る人の感覚を圧倒した。