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また地裁判事を免職=資産違法取得と脱税

4月12日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十一日】ブラジリア高等裁特別法廷は十日、サンパウロ州連邦第三地裁のロベルト・ハダジ州高等裁判事に対し更迭を満場一致で決定した。理由は、同判事が違法手段による所得隠蔽のため、所得税申告書を捏造したというもの。
 所得の違法取得に関する刑事訴訟が終わるまで、同判事は職務停止となる。告訴した高等裁のゴンサウベス判事は同判事の前妻で弁護士のフィゲイレド容疑者や国税庁職員のマッシャード容疑者についても所得税申告の受領票偽造の告発を受けているという。
 これら三人の容疑を捜査した検察庁の調書は、同判事の違法行為を立件するのには十分だとしている。検察庁は判事の月収では、購入不可能な数々の資産を取得し、前妻が申告書を捏造したとみている。
 フォーリャ紙の調査によれば、同判事と同僚のコスタ判事は、ブラジルの判事の収入では不可能な豪華な生活を満喫していた。コスタ判事は二〇〇一年、麻薬密売者の人身保護令適用で便宜を図り更迭された。
 同判事と前妻は、サンパウロ市で三十台の乗用車と二隻のヨットを所有していた。ソロカバ近郊には別荘八カ所、ウバツーバ海岸に多数の不動産、サンパウロ市ジャルジン区に豪華ペントハウスを所有していた。フォーリャ紙の告発に従いメイレレスサンパウロ州検察局長は一九九九年七月、入手経路の調査を命じた。
 同判事は八月、サンパウロ州検察局の捜査停止を命じた。検察局は連邦検察庁に捜査許可を申請して受理され、さらに高等裁のゴンサウベス判事の捜査命令により、脱税や公文書偽造、捏造などの事実が明るみに出た。