4月12日(土)
【フォーリャ紙】保健省(ウンベルト・コスタ大臣)は今日、芸能関係者の専門老人ホーム(リオデジャネイロ)で高齢者を対象にした風邪の予防接種キャンペーンをスタートさせる。六十歳以上の千五十万人に無料で予防接種を実施する予定。キャンペーンのモデルに歌手で作曲家のエラズモ・カルロスさん(六三)が選ばれた。三十日まで。
ステファン・ネルセシアン芸能人組合長、俳優のフランシスコ・クオコさん、デルシー・ゴンサルベスさんらが同席し、コスタ保健大臣が広報文を披露する。
同大臣は、国産の予防接種を開発することについて、省とブタンタン基金が協定を結んだと、発表した。調査費用として五千万レアルを計上、二〇〇五年十二月までに実用化にこぎつける考え。
キャンペーン初年度の九九年に、高齢者の七〇%が予防接種を受けた。その割合は世界保健機関(WHO)が理想とする水準だった。
今年は、比率の増加を目標に置く。決り文句は、「注射を怖がるためじゃなく、風邪を引かないため」で、エラズモ・カルロスさんが繰り返し言う。
放映だけでなく、テレビ番組中でも宣伝する。ドラマの脚本家、マノエル・カルロスさんが、現在放映中のドラマ「Mulheres Apaixonadas」で、予防接種を受けるために高齢者が保健所に向かうシーンを書くと約束している。
キャンペーンに保健省は一億九百九十万レアルを支出する。このうち、九千四百万レアルは千六百四十万個分の薬を購入するために使われる。
コスタ大臣は、「この制度を取り入れて、ブラジルは六十歳以上の人の入院が一〇%以上、減少した」と、語った。
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キャンペーンで残った薬の一部は、サンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)傘下の日伯友好病院に配布される。
援協は五月末から六月にかけ、サンパウロ市リベルダーデ区の診療所で、一般を対象にした予防接種を実施する。二百五十人ほどを予定している。予約の受け付けはキャンペーン後になる見込み。