4月12日(土)
「何故この像は立っているの?」。「お茶をかけるのは何の意味?」。
サンパウロ市リベルダーデ広場で七日から開かれている、花まつりの甘茶接待で質問が飛ぶ。
現在から約二六〇〇年前にルンビニの園(現在ネパール領)での釈迦生誕の伝説を知らない人にとっては、右手を天に左手を大地に指している釈迦生誕像や、その像に柄杓でお茶をかける儀式は奇異に映るのだろう。
それらの質問に答えているのは浄土真宗本派本願寺の開教使、深谷ファビアーナさん。
「知ってもらうのは難しいけど、こういうことから仏教への関心を深めてもらえれば」と話す。
四月の恒例行事となっている花まつりも今回で三十七回目を迎え、最終日の十二日は白像が町を練り歩く「おねり」や花祭り法要、子供たちによる和太鼓などが披露される。
釈迦の誕生時、甘露の雨が降ったという伝説や『天上天下唯我独尊』の言葉が意味するものー。
そういうことに思いを馳せながら、甘茶の天然の甘みを楽しめるのもリベルダーデならではといえるだろう。