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リオ麻薬組織テロ 州政府は知っていた=警戒態勢で死者3人=「状況悪化せず」と知事満足

4月11日(金)

 【既報関連=エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十日】リオデジャネイロ市で八日夜から九日午後にかけて、今年四度目の麻薬組織テロが発生した。バス九台と乗用車二台が焼かれ、ショッピングセンター二カ所に手榴弾が投じられ、総合大学や軽食店、教会が機関銃の標的となった。軍警官二人が射殺され、負傷者二人が出た。身元不明の黒焦げ死体も発見された。だがロジーニャ・マテウス・リオ州知事は、テロは鎮圧されたとし、警察を「これ以上、状況を悪化させなかった」と称賛した。
 マルセーロ・イタジーバ・リオ州連警本部長によれば、テロに関する最初の情報は今週初めに入り、八日午後九時ごろに、連邦警察の情報班が確実なテロ活動情報を得た。ロジーニャ知事は、「警察は事前に警備を強化した」と言明している。
 テロ情報の内容は、麻薬組織がリオ市を完全にまひさせるつもりでいるというものだった。バスがガレージから出るのを阻止し、バングー複合刑務所の暴動を促す予定だった。
 ジョジーアス・キンタル・リオ州保安局長官は、テロ攻撃の動機を、刑務所内での受刑者の措置が厳しくなったことに対しての犯罪組織の復讐だとみている。「政府は妥協しない」と強硬姿勢を示した。
 アステーリオ・P・サントス刑務所管理局長は、「携帯電話電波妨害機が設置されているバングー第一刑務所内からテロ攻撃命令が出ることはありえない」としながら、同機のないほかの刑務所から出た可能性があることを認めている。
 今回の麻薬組織テロは今年四度目。二月に、麻薬組織CV(コマンド・ヴェルメーリョ)の命令でバスや乗用車が焼かれ、多数の地区で商店も閉鎖される騒ぎがあった。三月三十一日には、地下鉄の駅やホテル、スーパーマーケットに爆弾が投じられる事件が発生。同日夜には三度目の攻撃で、コルコヴァード駅が機関銃の銃弾を浴びた。今年初めから麻薬組織に破壊されたバスの数は八十台に上った。二〇〇一年には五十三台、昨年は百二十四台が破壊された。