4月11日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】最高裁のマウリシオ・コレイア判事(六八歳)は九日、十一カ月の任期で最高裁長官に賛成十票、反対一票で選出された。マルコ・A・メーロ現長官の後任として六月五日、就任し二〇〇四年五月九日まで務める。
ミナス州サンジョアン・ド・マニュアス市出身。イタマール元大統領が一九九四年十月、指名した唯一人の最高裁判事であった。それまではブラジル弁護士協会(OAB)の会長として、一九七九年から一九八六年まで四期を務めた。
PDTから一九八六年、上議選に立候補して当選。一九九二年イタマール政権の法相に入閣。二〇〇一年、選挙高等裁長官に就任した。副長官には、カルドーゾ前大統領から指名されたネルソン・ジョビン判事が就任し、二〇〇四年から二〇〇六年まで後任の最高裁長官へ就任する予定だ。
コレイア長官とジョビン副長官は、最高裁の中では政治経歴を有する唯二人の判事だ。ジョビン副長官は南大河州から下議(PMDB)に選出され、カルドーゾ政権の法相を務めた。また選挙高等裁ではコレイア長官の後任を務め、今回大統領選の采配を振った。
ガルボン現副長官は五月で満七十歳となるため、長官に就任することなく定年退官となる。他にアルベス判事とサンシェス判事も、定年退官となる。
コレイア判事とアルベス判事の間で昨年十二月、反ユダヤ主義に関する書籍出版を人種偏見として差し止める判決が口論にまで発展した。メーロ長官の仲裁で、場は収まったが法曹界の権威をかけた大論争になった。