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農研公社 経営危機に=政府 予算を25%カット

4月11日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】十六日後に創立三十周年を迎えるブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)が財政難により深刻な危機に陥っている。
 同社のマリア・ルース・バルボーザ専務によると、本年度の同公社予算総額七億三千三百万レアルのうち、一億三千八百万レアルしか投資と調査研究費に配分されず、しかも今年初めに、連邦政府が二五%の予算カットを行ったため、最終的な投資、調査研究費は一億レアルとなった。しかし、第一・四半期で三%弱、約三百万レアルしか予算が下りていない。
 「調査研究は長期にわたる活動だ。資金が出なければ、現在進行中の研究が無駄になる可能性がある」とカルロス・マグノ・カンポス・ダ・ロッシャ元総裁は話す。予算削減は今に始まったことではなく、ドル換算では九七年の五億ドルから、〇三年は二億三千万ドルへと六年で半減したことになる。
 同公社に対する予算カットは保健、教育、科学技術分野の予算枠の上限設定を禁じた、〇二年七月二十五日制定の法令一〇五二四号を適用することで避けられるだろうと同専務はいう。
 同公社は熱帯農業分野では世界最大級で最高レベルの研究所の一つで、今日ブラジルのGDPの三〇%を生み出す農業ビジネスを成功に導いてきた。ブラジルの穀物収穫率は三十年で二倍に上昇し、年一億トンを超えている。これは遺伝子工学において同公社が開発した新技術の成果だという。