4月11日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】サンパウロ市チエテ川では、川の清掃で毎日一万五千立方メートルの土が川底から掘り起こされている。土は二日間川岸に放置されてから、埋立地に運ばれる。そのゴミをたっぷりと含んだ土からリサイクル可能のゴミを掘り出し、再利用ゴミとして売り、家計を支えている人々がいる。
午前四時―。サンパウロ市東部エルメリーノ・マタラッツォ区から失業者のジョゼ・G・シウヴァさん(五三)とペドロ・ドス・サントスさん(三二)が家を出る。午前六時ごろ、アニェンビー区のサンボードロモ付近の泥山に到着。アルミニウムや空き缶、ペットボトルなどを回収する。ほかにも同じことをしている人々は大勢いる。
「この辺を通った時、偶然泥山をあさる人々を見た。それで自分もここにきた」と、初等学校四年生まで勉強したサントスさんは言う。「石工になるためにも、初等学校を卒業していなけりゃならない」。
一方シウヴァさんは、「石工の月給は三百レアルだが、この仕事は月に六百レアル儲かる。五人の子供たちを養える」と大喜び。二人は一日でアルミニウム二十キロ以上を掘り出したこともある。
午後五時―。掘り出した再利用可能ゴミを東部のクズ鉄屋に持っていく。「川底の土は汚染されており危険ではないのか」との問いに、二人は「手袋や長靴を使っているから大丈夫。手はアルコールで洗っているよ」と笑う。