4月10日(木)
【既報関連=エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙九日】二日連続で実施されたサンパウロ市路線バス会社の運転手や車掌らのストライキが八日夜、終了した。ストは市民三百五十万人の足を奪い、交通渋滞など多大な被害を出した。スト中に破壊されたバスも百八十二台に上った。サンパウロ労働裁判所(TRT)は「ストは不法である」とみなし、従業員側の労働組合などに罰金を科した。
反面サンパウロ市にも、十五日間にわたって市内路線バス運営契約をしなかったバス会社九社から解雇される可能性がある従業員一万八百人分の給料(約四百二十万レアル)を支払うよう命令した。この従業員数は全体の二〇%を占める。
契約から外された九社のうち五社は、サンパウロ市から経営支援を受けていた。TRTは、九社の従業員に対する労働債務(七千万レアル相当)を市内のバスやロタソンなどを管理するサンパウロ市交通機関公社(SPTrans)の責任だとしている。
ジウマール・タット同市交通局長はこの労働債務について、「公共費を労働債務の決済に使うとはもってのほか」と債務を支払わない姿勢を見せている。九社の従業員への給料支払い命令については、「従業員たちは家にいながら給料をもらえる」と皮肉ったが、支払いを遂行する意思を表明した。また、「九社に路線バス運営を任せる気はない」と厳しく対処している。
TRTはSPTransに、「債務の一部を都市交通企業連盟(Transurb)と交渉し、支払ってもらったらどうか」とアドバイスした。だがTransurb側は「債務については一切話すつもりはない」とはねつけた。
TRTはまた、運転手・車掌労働組合とバス会社労働組合に四十万レアルの罰金を科した。TRTは七日から、ピーク時間にバス総数の八〇%、通常時間に七〇%を運行させるよう命じていたが、スト決行者らはそれに応じなかった。
新たなストで悩むマルタ・スプリシーサンパウロ市長(PT=労働者党)に、ルーラ大統領は八日、ラ米メモリアルのイベント中に「マルタ市長は悪質なバス経営者たちに立ち向かっている。妥協してはならない。彼らは権力者や乗客をもっと尊敬すべきだ」と全面支持の姿勢を示した。座上、大統領はマルタ市長をサンパウロ市長再選候補として発表。一方マルタ市長は、「感謝するが、今はサンパウロ市の問題解決で頭がいっぱい」と再選のコメントを避けた。