ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | バススト続行で市民大迷惑=大統領も会社側批判=サンパウロ市 「妥協せず」と対決姿勢

バススト続行で市民大迷惑=大統領も会社側批判=サンパウロ市 「妥協せず」と対決姿勢

4月9日(水)

 【既報関連=フォーリャ・オンライン八日】七日午前零時から、サンパウロ市路線バス会社三十九社の運転手や車掌のストライキが実施されており、八日もスト続行となった。七日午後、地方労働裁判所(TRT)は「従業員の七〇%は勤務に戻ること。渋滞ピーク時間は八〇%とする」との命令を下し、「命令が守られなかった場合、スト一日当たり罰金二十万レアルとする」との措置も言い渡したが、従業員らはそれを無視した。
 バス会社従業員労働組合よると、バス会社九社の経営困難による従業員解雇の恐れがあることをサンパウロ市に訴えるため、今回のストが実行に移された。九社は市内路線バス会社総数の二〇%に相当し、組合側は「このままでは一万八百人の従業員が解雇されてしまう」と懸念している。
 九社が経営困難にある理由として、(1)サンパウロ市の経営支援が終了した、(2)五日署名されたサンパウロ市とバス会社の緊急契約(有効期間百八十日間)から外された、が挙げられる。一方サンパウロ市側は、「これらの従業員の一部は、新しく契約をしたバス会社に吸収される」と主張している。
 マルタ・スプリシーサンパウロ市長(PT=労働者党)は、「市民の頭痛の種であるストをがまんしなければならないが、今年下半期から交通システムの改良の結果が表れるはず。九社を除去することで、良質のバス・サービスを市民に提供できるようになる」と呼びかけた。またバス会社側に対して、「市はストで脅されても妥協しない」と厳しい姿勢を見せた。ルーラ大統領は八日、サンパウロ市の路線バス会社の経営者らを批判し、マルタ市長の姿勢を称賛した。
 バスストで約三百五十万人の市民が足を奪われた。サンパウロ市地下鉄は七日、平均乗客数二百五十万人を上回る最高乗客数二百九十万人を記録。渋滞も悪化し八日午前八時三十分には、今年の午前中の延べ渋滞最高記録が更新された(百二十三キロ)。八日も車両乗り入れ制(ロジージオ)が解禁となり、バス専用道路の使用、ゾーナ・アズル地区での無料駐車も認められている。
 八日午後十一時ごろの情報では、市外路線バス百十台と市内路線バス十九台の計百二十九台のバスが破壊されたという。ガラスを割られる、タイヤをパンクされる、バスが焼かれるなどの被害が出ている。