4月8日(火)
イラク戦争が始まって、約三週間経つ。五日発表された米ワシントンポスト紙とABCテレビの共同世論調査によると、戦争は正当だと考えている米国民は七割に達する。米国日系コミュニティーは、太平洋戦争中の強制収容など、暗い歴史を経験したことから、反戦を訴えている。以下、NB紙(ニッポブラジレイラ紙)より抜粋してアメリカ日系人の考えを紹介する。
ニッケイ・ウエスト紙(カルフォルニア)の編集者、ジェフリー・キモトさんは、二〇〇一年九月十一日の米テロ事件後、恐怖感や不安感が国内に高まっていることを明言。「怖いけど、この状況をどうすることも出来ない」と、語る。
さらに、「政府の態度は尊大だと思うが、我々の考えは何の価値も持たない」と白人中心の社会を批判する。
一方、作家のジル・アサカさん(デンバー在住)は、「国民はテロ事件を忘れてしまったかのように見える」と、国のムードが落ち着き過ぎているとの見解を持つ。アサカさん自身はテロリストによる報復を恐れ、「国民が自信過剰になっている」と、結論付ける。
日米タイムズ紙(サンフランシスコ)のケイジ・タグマ記者は、石油の利権を獲得するというより、九三年にクエートで父のジョージ・ブッシュ元大統領を暗殺しようとしたことへの復讐を実行していると、みる。
同記者によると、テロ事件後、外国人は一般に偏見の目で見られてきたという。日本人移住者の歴史を引用。「テロ事件後、日本人への扱いが悪くなった。パールハーバー後に、日系人の一部が民族主義の犠牲者となったり、罪も無いのに収容されたように」と、危惧する。
アメリカ日系人が戦争に反対だと立証しようと、日米タイムズは日系コミュニティーで意見を集めた。「国連を無視して、イラクを攻撃することには、反対だ」、「ブッシュ大統領は国際法を無視している」などの、声が挙った。