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被爆者の実情訴えに=森田協会会長ら6人訪日へ

4月8日(火)

 在ブラジル原爆被爆者協会(森田隆会長)は陳情団を派遣、十七日に、坂口力厚生労働大臣と会談して、高齢のため渡日治療は無理などと、在外被爆者の実情を訴える。
 これまで、森田会長が会を代表して厚労省に赴いたことはあるが、陳情団の派遣は今回が初めて。会長をはじめ、副会長、会計など六人が訪日。十三日にブラジルを発つ。
 国は一日、健康管理手当の支給期間を五年から数十年に引き伸ばすと、発表した。つまり一度、登録してしまえば、相当年、受給できる。そのため、在外被爆者が更新手続きを行うために訪日する負担は軽くなる。
 ブラジルに居住する被爆者の中には、被爆者手帳を取得していない人もいる。高齢化は進み、体力的に訪日そのものが難しい。
 手帳の取得や手当受給に係わる手続きを現地で行うこと、友好病院を指定病院に加えることなどを直接、坂口大臣に要請する。 
 広島地裁で係争中の「在ブラジル原爆被爆者裁判」で、和解協議が今月二十四日に開かれる。
 森田会長は、「時効問題をはじめ、裁判で残された問題は多い。和解を受け入れれば、訴訟に踏み切らなかった被爆者に不利となる面もある」と、和解に応じるつもりはない。
 協議に先立って、坂口大臣に理解を求める考え。川口順子外務大臣にも会談を申し入れている。 
 東京では、韓国や北米に在住の被爆者らとの懇談会も開かれる。