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家業3代盛業称える=全米日系博物館の企画

4月8日(火)

 現在の北米の日系コロニアをみると、ブラジルの近い将来が分かる――サンフランシスコの邦字紙・北米毎日によると、全米日系博物館は、去る三月二十九日、三代続く日系家業経営者を顕彰、称賛した。
 同博物館が称えたのは、「アメリカン・ドリームをかなえる日系ファミリー・ビジネス」。三代続いているファミリーは、カリフォルニア州、アリゾナ州など七州にわたった。農業をはじめ、まんじゅうで有名な勉強堂(サンフランシスコ)、魚販売の魚喜酒井商店(同、日本町)、マスモト・ファミリー・ファーム(デルレー)などがあった。
 博物館の広報は「ファミリー・ビジネスは、日系コミュニティのなかで情報提供を担ってきただけでなく、地域の教会、寺院、スポーツチーム、そしてサービス団体を支え、コミュニティの支柱となってきた。しかし、大恐慌、第二次世界大戦、世代交代の摩擦などによって、生きづらくなっている」と語る。
 同日夜、ロサンゼルスのセンチュリー・プラザ・ホテルで祝賀ディナーパーティが催された。ボーイング社、アメリカン航空などが協賛、収益は博物館の教育プログラムに寄付された。
 ブラジルの日系〃家業〃の場合、農業はともかく、商工業で三代続くのは、極めて稀、となってきている。北米にならえば、さしずめサンパウロの日本移民史料館が表彰する側にまわるだろうが、被顕彰企業(ファミリー)を探すのが困難なのではないか。