4月4日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】フランス政府は二日、ブラジルを国連の安全保障常任理事国へ推薦することを正式に決定した。アモリン外相が、フランス外務省を訪れ外相会談を終えて後、ヴィレパン仏外相からブラジルの常任理事国入りを支持する政府方針が発表された。
フランス政府は、世界の国々の結束と国連決議の効力確保のため安保理の加盟国数増加を、かねてより提案していた。ブラジルの常任理事国入りの熱望は、カルドーゾ前政権でも再々名乗りを挙げていた。国連の機構と資金をバネに国際外交に貢献し、ブラジルの国際的地位の向上に努めることが宿願であった。
またルーラ大統領が一月、訪仏してエリーゼ宮でシラク仏大統領と昼食をとったときも、ブラジルの常任理事国候補が話題になった。駐仏ブラジル大使館で当日夜、フランス社会党とのカクテル・パーテイが開催され、伯仏大統領会談に話題が移ったとき、ルーラ大統領は「シラク大統領は、ブラジルの常任理事候補の保証人であるから悪口を言わない」と冗談をいった。
イラク開戦が懸念されているときの伯仏両国の歩み寄りは、反米活動を意図するものではなく、イラク問題に限らず今後の世界平和を擁護する国連の立場を強化するための布石としている。現在拒否権を持っている常任理事国は、米英仏中ロの五カ国で、決定の投票権を持っているのは十五カ国となっている。