4月4日(金)
【ヴェージャ・サンパウロ誌二日】サンパウロ市は毎日、一万トンの一般的なゴミと五千トンの粗大ゴミを出している。ゴミの総量一万五千トンは、ボーイング七十二機を〃満員〃にさせるほどの量。過去十年間にサンパウロ市の人口が一〇%増えたのに対し、ゴミの量は三倍も増えた。莫大な量のゴミをどう処理するか―。巨大なゴミ問題を抱えているサンパウロ市は、四月からゴミ収集手数料の請求を行い、ゴミの再利用などの解決策を見出そうとしている。
ゴミ収集手数料は、月に六・一四レアルから六十一・三六レアルまで。ゴミの量や一家の人数によって金額が変わる。サンパウロ市の各家庭で出るゴミを収集し、埋立地まで運ぶのに、毎年三千万レアルを費やしている。
ゴミは、国や都市の開発度を見る指数でもある。経済が好況ならば、ゴミの量も増加する。インフレを下げ、市民の購買力を上げたレアル・プラン以来、サンパウロ市のゴミの量は一三%増えた。
サンパウロ市の埋立地七カ所のうち、五カ所が容量満タンで閉鎖された。わずか三年後から五年後には、残りの二カ所(西部バンデイランテス埋立地と東部サンジョアン埋立地)も容量オーバーになるという。
一九九〇年代初め、ルイーザ・エルンジーナ市政三年目に、ゴミ再利用計画案が出された。だがパウロ・マルフ市政、セウソ・ピッタ市政と続いて、その計画は完全に忘れ去られていた。
この計画案が出された同時期、パリや東京、ニューヨークではすでにゴミ再利用計画が始められていた。特に東京は、ゴミの五〇%の再利用に成功するという成果を上げている。
ブラジルでは、クリチーバ市が十年前からゴミ再利用計画を実行。現在、ゴミ総量の二〇%を再利用している。これはゴミ五百トンに相当する。
都市環境保護を訴えるNGO団体『ポーリス研究所』のエリザベス・グリムバーグ担当は、「サンパウロ市は『ゴミ再利用をするか否か』という選択があった時期にはもう戻れない。サンパウロ市のゴミの再利用は義務と化している」と明言した。
サンパウロ市のゴミ収集手数料は、各家庭のゴミの量によって請求額が変わるため、初めのうちは混乱が生じると予想されている。サンパウロ市は各家庭の予測手数料額をあらかじめ計算しているが、その額に反対する人はサンパウロ市に変更を申請できる。
エコノミストのサベタイ・カウデローニ氏は、ゴミ収集手数料が市民をゴミの再利用に目覚めさせる早道だと考える。「正しいやり方で進めていけば、シートベルト違反の罰金と同じ効果があるだろう。財布に負担がかからなければ、社会問題をまったく気にしない人が多いから」と話す。
サンパウロ市は二月、サンパウロ市東部ゴミ選別センターを設置した。ゴミの受付け場は四十カ所ある。年末までに五千カ所、二〇〇四年までにさらに五千カ所の受付け場を設ける予定でいる。