4月3日(木)
[ドウラードス=南マ州]ドウラードスの日本人会館で、去る二月二十二日、南北マットグロッソ日本語教育関係者連絡協議会、同日と二十三日、第二回南北マ州日本語教師研修会が催された。南マ州日伯文化連合会、南北マ州日本語教師会の共催。連絡協議会の席上、小松雹玄JICA支所長が、基調的な講演、ブラジル日本語教育の展望を行った。わかりやすく持論を述べた。例えば「日本語を学ばないと損をする、というふうにもっていこう」。
連絡協議会には、遠くクヤバ、カンポ・グランデはじめ各地日本人会・文協の役員およそ八十人の参加があった。
小野亨右連合会会長、城田志津子教師会会長のあいさつのあと、午前中、講師の小松雹玄JICAサンパウロ支所長が「ブラジルの日本語教育の展望」、渡辺次雄アルモニア教育センター館長が「アルモニア日本語センターの事例」と題してそれぞれ講演した。小松支所長は展望として、つぎの三点を挙げた。
1、「日本語を学習しないと損をする」。留学、日本文化を吸収しようとするとき、出稼ぎ、就職、文通、旅行の際など。
2、「『日本語』の単品メニューからセットメニューへ」。これは以前からの主張だが、具体的には、英語、スペイン語、フランス語などの語学学校に日本語をいれる。ブラジルの公教育のなかに日本語を取り入れる。現在、基金が支援しているCEL/CELEMのように。
3、「面白い教師を目指す」。◇物知り博士=多様なニーズへ対応できる教養をもつ。◇明るい先生=先生も商売人であるべき。◇リズムのある授業=飽きがこない、退屈させない。◇達成感のある授業=結果がみえる、授業料をもらえる。
出席者たちは、現在経営されている日本語学校、また以前はあったが現在閉校されているところの現状、これからの展望「現状を踏まえて今後の方針を考える」を話し合った。
教師研修会のほうは、四十人が参加。初日、JICA派遣講師による講演のあと、発表「幼児教育」(江崎香代ヴァルゼア・アレグレ校教師)、講演「児童絵画について」(本田秀子センター派遣講師)、同実習、懇談会「教師会活動のあり方」(司会・村上妙子さん)、懇親会。二日目は実習「実習・絵画指導」(本田秀子講師)、実践報告「幼児教育」(伊藤由美ひまわり学園教師)、実習「げきあそび」「にほんごオリンピック」、実習「ひな人形つくり」(小森美佐子、岡崎ヒロコ・モデル校教師)など多岐にわたるプログラムで研修した。
小野連合会会長は、二つの催しの終了後「現在の日本語、次世代の日本語のすすむ道を考えるすばらしい協議会と研修会だった」と総括した。