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日本特別基金に=13%増額を拠出=米州開銀年次総会で 政府代表が表明

4月3日(木)

日本政府の二〇〇三年(平成十五年)の会計年度は四月一日に始まった。政府は米州開発銀行(本部・ワシントン)の中にある日本特別基金に、今年度は二〇〇二年度比一三%増額の拠出をする方針を固め、去る三月二十四日から二十六日までイタリアのミラノで開催された同開銀(BID)の第四十四回年次総会で、日本政府を代表した小寺清財務省審議官(国際局担当)が発表した。これは、出席した加盟国政府代表らから大きな賛辞をもって迎えられた。
 小寺代表は「わが国の二〇〇三年度予算において、ODA(政府開発援助)予算全体が平均五・八%削減された中で、わが国がBID内に設置した日本特別基金の拠出金は、前年度比一三%増が確保される見込みである。わが国が引き続きBIDを通じ中南米の発展に貢献し、アジアとの架け橋としての役割を積極的に図っていくことの証である」と発言、最後に「このような中、わが国は二〇〇五年に沖縄においてBIDの年次総会を招致することとし、今般、総務会決議での採択を求めています。みなさまからの支持が得られるよう、ここにお願い申し上げます」と結んだ。
 これを受けて、本紙既報(四月二日)の通り、今年の年次総会(総務会の通称)が、二〇〇五年沖縄総会を決議した。
 米州開発銀行は、中南米の開発途上国の経済的および社会的開発の促進に寄与することを目的として、一九五九年十二月に設立された多国間機関で、日本は一九七六年七月に加盟し、銀行の資金源である応募済資本金と特別業務基金の両方で、域外加盟国としては第一位のシェアを持つ貢献をしている。
 加盟国は、域内の中南米二十六カ国と米国とカナダ、それに域外十八カ国の合計四十六カ国である。日本はアジア唯一の加盟国となっている。今年三月の職員数は二千二十二人で、うち日本人専門職員数は十七人(日本の財務省国際局資料)となっている。ごく少数の日系人職員がいる。
 日本特別基金の増資は、日系コロニアにとっても非常に喜ばしいことであり、できるかぎり〃日本の顔〃が見える形での運用を期待したい。