3月28日(金)
【エポカ紙二五三号】ブラジリアで先週、サダム・フセイン・イラク大統領に亡命避難所を提供する用意が政府にあるといううわさが流れた。ルーラ大統領の特別補佐官、マルコ・アウレリオ・ガルシア教授は政府内でその件が協議されたことを認めたが、それは米イラク戦争を平和裏に解決するために、主導権を最大限に発揮する場合においてのみ正当化されると説明した。エポカ紙とのインタビューで同特別補佐官は米国の国連蹂躪を批判したが、現在米国に真正面から反対しているブラジルの姿勢は、原則として反米主義に立脚していないことを明らかにした。以下はこの問題についての一問一答。
エポカ紙(以下、エ)=幾つかの国はサダム・フセインを受け入れ得ると発表しているが、ブラジルも彼を受け入れる考えがあるのか。
ガルシア特別補佐官(以下、ガ)=ブラジルは受け入れについて相談を受けていない。しかし、平和裏にイラク危機を解決する助けになるのなら受け入れるだろう。現段階ではどこの国もサダム・フセインを受け入れる用意があると思う。
エ=ブラジルの戦争反対姿勢は米国の報復を引き起こさないだろうか。
ガ=不安は残りうる。しかし、米国に対する感情的反発で我々は動かされているのではない。米国との関係は良好で、我々の姿勢に関して、米国政府側からの注意は何一つない。イラク問題についてはブラジルが米国を支持することを、米国が望んでいるであろうことは明らかだ。しかし、米国支持は不可能だ。ブラジルの姿勢には三つの根拠がある。世界紛争の平和的解決の擁護と民族自決の尊重、集団保障体制と多極主義の擁護、そして既に対応済みだが、イラク戦争がブラジル経済にダメージを与えるという事実だ。
エ=米国の姿勢に反対したチリとメキシコに報復が行われうると思うか。
ガ=報復は非常に厳しいものになるだろう。報復がないことを望む。もしあるなら、それは米国の一国主義が生み出した単に好ましくない結果では終わらないだろう。メキシコは米国と非常に良好な関係を築いているし、チリは米国と自由貿易協定を結んだところだ。メキシコとチリ両国の開戦不支持の立場には、非常に肯定的な二つの意味があることを強調する必要がある。
エ=肯定的?
チリとメキシコは世論に敏感な為政者によって統治されていることが示された。それに六カ月後に世界がどうなっているか、我々に手がかりを与えてくれている。たとえ発生しうるすべてのリスクと新しい政治地図のデザインを抱えて、ブラジルが今日批判している戦争を支持の立場に変えたとしても、今回の危機はある新事実を明らかにするだろう。米国の影響力が大きい地域に、米国の政治・経済力にはるか及ばないが、戦争支持とは逆の立場を取れるアメリカ人たちと深い関係を持ち、ペソ通貨を基軸とする政治経済圏に属する国々が存在するという事実を。これは新しい世界だ。この新世界はブラジルが今回の困難に打ち勝つよう、我々を助けることができ、おそらく、米国政府がこの新世界をよく考えるように仕向けるだろう。