3月25日(火)
第四十七回パウリスタ賞授賞式が、二十一日午後八時から、文協ビル貴賓室で行われた。およそ二百人の関係者が出席、十人の受賞者の栄誉を祝い、喜びを分かち合った。感激的なシーンがあった。今回の授賞式では、主催者ニッケイ新聞社の強い意向により特別表彰があり、元柔道ブラジル代表監督の故人・小野寺郁夫さんを顕彰した。エジナ夫人が一男二女とともに壇上に上がった。高木ラウル・ニッケイ新聞社社長が顕彰プラッカと花束を夫人に手渡した。夫人は、社長とベイジョし、喜びを表した。家族四人のこぼれるような笑みに満場から拍手が起こった。
今回の受賞者は、松尾末幸さん(ゲートボール)、近沢宗貴さん(ゴルフ)、小斉平五朗さん(柔道)、矢野清さん(野球)、荻堂ワルテル・モリシゲさん(剣道)、阿部レイラさん(庭球)、池森クラウジオさん(相撲)、古賀ダニエル・ノリオさん(陸上)、坪井グスターボさん(卓球)、ルッカス・ビニシウス・ヨコオ・サラッタさん(水泳)、そして特別表彰の故小野寺郁夫さんであった。
来賓は、佐藤宗一郎サンパウロ総領事館首席領事、岩崎秀雄文協会長、和井武一援協会長、中沢宏一県連会長、田中信ブラジル日本商工会議所会頭、池崎博文リベルダーデ文化福祉協会会長、小林パウロ下議、羽藤ジョージ市議、野村ジオゴ元下議・アウレリオさん父子、下本八郎元州議、重田エウゾ・ピラチニンガ文体協会長ら受賞者推薦団体の代表らだった。
高木社長が「四十七年もの間、続けられてきたパウリスタ賞授賞事業を(新聞社の)合併後も続けて行えることはわたしたちの大きな喜び。受賞者のみなさんに心から、おめでとうを述べたい」とあいさつ。特別表彰した小野寺さんについては「ブラジル柔道発展に多大の寄与をした小野寺さんの急逝を悲しみ、悼む。わたしたちの仲間をオメナージェンする」と表彰の趣旨を述べた。
祝辞は、佐藤首席領事、岩崎文協会長、小林パウロ下議。それぞれ、十人の受賞者の各スポーツ分野での貢献を称賛「受賞は栄誉である」とした。小林下議は、デカセギ現象にも言及、日本移民の子孫は、ブラジルの全人口の〇・七%ほどであるが、ブラジル社会での貢献は、その数字に似つかわしくないほど大きい。スポーツの分野でもそれは当てはまる、と演説した。
受賞者たちは、佐藤首席領事らから、表彰プラッカを手渡された。水泳部門の受賞者、ルッカス君は十五歳の少年。この日は南米大会に出場していて欠席だった。「きょうも好成績をあげている」と場内に紹介された。父親のルイス・パウロ・サラッタさんが代理でプラッカを受けた。ルイスさんがプラッカを高々と掲げると、周囲からフラッシュが何発も光った。